文春文庫東野圭吾ガリレオシリーズ
『探偵ガリレオ』
『予知夢』
『容疑者Xの献身』
『ガリレオの苦悩』
『聖女の救済』
『真夏の方程式』
『虚像の道化師』
次が『禁断の魔術』。
高校の物理研究会で湯川の後輩にあたる古柴伸吾は、育ての親だった姉が亡くなって帝都大を中退し町工場で働いていた。ある日、フリーライターが殺された。彼は代議士の大賀を追っており、また大賀の担当の新聞記者が伸吾の姉だったことが判明する。伸吾が失踪し、湯川は伸吾のある“企み”に気づくが・・・。シリーズ最高傑作!
これがシリーズ最高傑作!かどうか。こればかりは読んでみなければわからない。
映画『沈黙のパレード』を自宅で観るとき、カミさんが
「これって刑事コロンボみたいなものでしょ」。
ま、そう言われれば、そういうところがあるかもしれない。
というのは、始めに犯人が登場して、事件の後、刑事が捜査を開始し、難事件を解明するという流れが、あるといえばある。
『禁断の魔術』もまた冒頭の部分を読むと、ああ、犯人は伸吾だなとわかる。しかしながらそれから複雑な人間関係がどのように結びつくのか。混迷する難事件を如何に解きほぐすのか。やがて焦点が絞られていく。
それはなぜ、どのような手段を用いたのか。疑問が一杯に膨らんだところでガリレオ先生の謎解きが始まる。
この小説は、ガリレオ先生の後輩に対する愛の物語である。
そして草薙刑事との友情、刑事内海薫との愛情に近い信頼と結びつきが描かれてもいる。

