安藤サクラ主演映画『BAD LANDS』の原作本として『勁草』を読むことにした。
休日が雨であれば、映画『BAD LANDS』を見に行くかもしれない。
黒川博行はこれまで手を出さなかった作家であり、映画はこれまで観ようとしなかった類の映画である。
だけど、黒川博行を読むことにしたのは、タイトルが『BAD LANDS』だからであり、単に『勁草』であれば、たぶん手にすることはなかった。
洋画探偵さんがかつて言っていたけど、本が売れるか売れないかは、タイトルで決まる。
村上春樹の本がそうだ。村上春樹の本はタイトルがカッコいい。
ま、そんなこともあるかと思う。
ともかくとして『勁草』を読み始めると、おお、大阪ものだ。
大阪弁の会話が好いなぁ。
ここで裏表紙
橋岡恒彦は「名簿屋」の高城に雇われていた。名簿屋とは電話詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。橋岡は被害者から金を受け取る「受け子」の差配もする。金の大半は高城に入るので、銀行口座には大金がうなっている。賭場で借金を作った橋岡と矢代は高城に金の融通を迫るが・・・。一方で大阪府警特殊詐欺班も捜査に動き出す。逃げる犯人と追う刑事たち。最新犯罪の手口を描き尽くす問題作!
大阪及びその周辺の地名が出てきても、そこがどこなのか、デジタルな感じだけど、大阪弁の喋りは、架空の出来事のようで面白い。掛け合い漫才を聞いているようだ。出来事は陰鬱、悲惨だとしても、テンポよくリズムがあってユーモア感じ、うっかりすると笑ってしまう。物語はスクウェアというか、オーソドックスというか、しっかりと地道に筋道を積み重ねていくドキュメンタリータッチ。映画『BAD LANDS』は観ないままになっている。
映画『BAD LANDS』安藤サクラ