朝井まかて長編小説の半数くらいは読んでいる。

朝ドラ『らんまん』の放送開始前に『ボタニカ』を読んでいる。

 

 

『類』は、森鴎外の子・森類を描く。

文庫本裏表紙

明治の終わり、森鴎外の末子として生まれた類。愛情豊かな父と美しい葉は、ふたりの姉と、何不自由なく華やかに暮らした少年期。父の死という喪失を抱えながら画家を志し、パリへ遊学した青年期。戦後の困窮から心機一転、書店を開業。やがて文筆家の道へ。文豪のこという宿命を背負い、何者かであろうと懸命に生きた彼の、切なくも愛すべき生涯を描いた大作。著者による講演「鴎外不振の恋」も載録。

 

森類、森鴎外をはじめとする家族の物語。

明治、大正、昭和、戦後と続く一家の変転。

趣があり、味わい深い。

著者の森家の人々に向けるまなざしはやさしい。