このところ映画館に映画を観に行くようになった。それは酷暑においてエアコンのきいた映画館にて涼むためである。

ハリソン・フォードの『インディ・ジョーンズ』、トム・クルーズの『ミッションインポッシブル』の次に観たのは、綾瀬はるか『リボルバー・リリー』。

本を読むより、映画を観るのが先。

綾瀬はるかのアクションは見応えがあった。

 

 

関東大震災後の東京の街並み、ファッションは風情がある。

陸軍、海軍、諜報機関、やくざなどの絡み合いがドタバタ喜劇のよう。

しかしながらオシマイのところの陸軍と小曾根百合との銃撃戦は冗長であった。

それにこれは最も肝心なところであるが、百合を演じる綾瀬はるかを観に行ったのに、その綾瀬はるかが映像として美しいと思えなかった。

 

これでは配給収入が伸びないだろう。

好いところはたくさんあるけど、肝心なところが“いまいち”だった。

映画の後、原作の文庫本を読むことにした。

 

 

本は読み応え充分にして、当たり。

裏表紙

小曽根百合――幣原機関で訓練を受け、東アジアなどで三年間に五十人超の殺害に関与した冷徹非情な美しき諜報員。「リボルバー・リリー」と呼ばれた彼女は、消えた陸軍資金の鍵を握る少年・細見慎太と出会い、陸軍の精鋭から追われる。大震災後の東京を生き抜く逃避行の行方は?

 

息をもつかせぬ。

大藪晴彦賞受賞作。

映画の余韻を引きずりながら、小曽根百合の活躍を丁寧に追いかける。

文章を読みながら脳内に人物、建物、風景、衣服、音楽、音、臭いなどのイメージを膨らませる。

登場人物、それぞれが抱いているのであろう痛み、苦悩、悲しみなど・・・。