講談社文庫。
第158回直木賞受賞作。
宮沢政次郎の長男・賢治は、家業の質屋を継ぎたがらず、適当な理由をつけては金の無心をするような困った息子。政次郎は厳格な父親であろうと努めるも、つい甘やかしてしまう。やがて妹・トシの病気を機に、賢治は物語を書き始めるが――。後に国民作家となる天才・宮沢賢治の生涯を、父の視線から活写する。究極の親子愛を描いた傑作。
5/5子どもの日に映画が公開されたとき、『銀河鉄道の夜』を知った。同名の小説が直木賞受賞作と知ったのは、蔦屋書店に平積みになっている文庫本を手にしたときである。
門井慶喜という作家を知らないが、直木賞受賞作であれば読んでみようか。宮沢賢治のことを知るのにもいい機会かもしれない。そうして小説を読み始めると、文章が読み易く、構成が巧みだなと思う。
宮沢賢治を中心とする、その家族の物語。
舞台は、岩手県花巻。
憧れの東北。
グーグルマップの岩手県を開き、位置を確認する。
いつ行けるかなどと思わない。小説の中で心は花巻に飛んでいく。
小学5年生頃、よく本を読んだ。その中に伝記もあった。どうでもいいことだけど、『渋沢栄一』をそのとき読んだ。さて『銀河鉄道の父』は、宮沢賢治の父の伝記小説なのだなぁ。当たり前だけど・・・。
そして読む者を童心に帰らせてくれるのではないか。