池波正太郎『鬼平犯科帳』、『雲霧仁左衛門』の後、『藤枝梅安』シリーズも読み終えた。

そこで次に手を染めたのが『剣客商売』。

新潮文庫の①から⑱までと他に番外編がある。

 

 

「このシリーズを読み始めるのはどうかなぁ」

と思うのだけど、ま、①と②を読んでみて、その後どうするか決めればいいか。

などと思いながら読み始めた。

そして多くのブロガーさんが

「ああ、がねさん、やっぱり虜になってシリーズを読み進めるんじゃないか」

と思われたとおりになりそうである。

 

 

新潮文庫『剣客商売一 剣客商売』

勝ち残り生き残るたびに、他人の恨みを背負わねばならぬ。それが剣客の宿命なのだ――剣術ひとすじに生きる五十九歳の白髪頭の粋な小男・秋山小兵衛と浅黒く巌のようなに逞しい名二十四歳の息子・大治郎のコンビが、剣に命を懸けて、江戸の悪事を叩き斬る――田沼意次の権勢はなやかなりし江戸中期を舞台に剣客父子の縦横無尽の活躍を描いた、吉川英治文学賞受賞の好評シリーズ第一作。全7編。

女武芸者

剣の誓約

芸者変転

井関道場・四天王

雨の鈴鹿川

まゆ墨の金ちゃん

御老中毒殺

 

全部ではないにしても、ある程度の『剣客商売』テレビ放送を見ているので、まぁ大体のイメージは前提としてある。それでも本を読み始めると、登場人物たちがまるで生身の人間であるかのように描かれているので、これはもう夢中になってしまうのである。

そうして読むスピードが速い。

へたをすると文庫本1つを1日で読了してしまう。

困ったことにすぐ次を読みたくなる。

そして真夜中に目覚めたときなど、つい本読みをはじめるのである。

困ったことだ。

 

 

 

『剣客商売二 辻斬り』

冷え冷えとした闇の幕が裂け、鋭い太刀風が秋山小兵衛に襲いかかる。正体は何者か?小兵衛・大治郎が非道に挑む表題作。江戸に出たまま帰らぬ息子を探しにきた信州の老剣客へ温かい手をさしのべる秋山父子――「老虎」。暴漢にさらわれた老舗の娘を助ける男装の武芸者・佐々木三冬――「三冬の乳房」ほか「鬼熊酒屋」「悪い虫」「妖怪・小雨坊」「不二楼・蘭の間」の全七編。シリーズ第二作。

 

それぞれの登場人物がそれぞれに様々な事件に関わり始めると、新たな物語が広がっていく。

そうなれば『剣客商売』は長編小説への道を進み始めたものと理解する。