以前に読んだ文庫本3冊を再読中。
安部龍太郎『冬を待つ城』
宮本輝『地の星』
三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』。
なぜこの本なのか?
それぞれに希薄ながら理由がある。
安部龍太郎『冬を待つ城』については、少し前に安部龍太郎『十三の海鳴り』を読んだから。
この本は安部版南北朝三部作の一つで、現在の青森県を舞台にしている。安倍氏と藤原氏との子孫である安藤氏による反乱を取り扱った小説であるが、見知らぬ土地において見知らぬ人が活躍する冒険歴史小説であった。
「いや~、これは面白いなぁ~」
いたく感動したときに、そういえば前に『冬を待つ城』を読んだなぁと思う。
こちらは同じ現在の青森県の九戸政実の物語。その九戸四兄弟が、太閤秀吉の奥州仕置きに敢然と立ち向かう話であった。
八戸といえば、もしかしたらブロガー“ききみみ”さんの所在地ではないだろうか、などと思う。
つまりは青森つながりで再読し始めたのである。
宮本輝『地の星』については、今年こそ四国の愛媛県の愛南町に行ってみようかなと思ったことがきっかけだった。
これは宮本輝『流転の海』シリーズ第二部で、主人公松坂熊吾の生まれ故郷であり、『地の星』においては終戦後、大阪の松阪商会をたたみ、妻子を連れて故郷に帰ってきたときのことが描かれている。
コロナ騒動が起きる前、是非とも愛南町に行こうと思っていて果たせないままになっていた。「今度こそ」と思うのと同時にもう一度本を読み返してみよう。そう思ったのである。
三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』については、前の2冊がそういう理由で再読するとなると、
「ああ、そういえばどうしてもあの本を読み返してみよう」
となり、手にとった。
以前、本を読んだ。
映画を観た。
まほろ駅のモデルとされている町田駅周辺を歩いた。
もう一度そのときの感動をよみがえらせよう。
そういうことで、この3冊をテキトーにとっかえひっかえしながら同時並行して読んでいる。