文春文庫[決定版]鬼平犯科帳21を読み終えると、同22は

特別長編『迷路』。

目次

『豆甚にいた女』

『夜鴉』

『逢魔が時』

『人相書二枚』

『法妙寺の九十郎』

『梅雨の毒』

『座頭・徳の市』

『托鉢坊主』

『麻布・暗闇坂』

『高潮』

『引鶴』

 

裏表紙

「おもしろいものを、見せてつかわそう」と、筆頭与力・佐嶋忠介を伴い市中見廻りへ出た平蔵だが、変事の予感を覚える。翌日、宿直明けの与力・秋本源蔵が半弓で射殺され、平蔵の周辺と身内が連日で命を狙われる。敵は何者か?火盗改方への怨みなら、なぜ下僕まで襲うのか。苦悩の果てに、平蔵は行方知れずとなる。傑作長編!

 

無頼として生きたことのある平蔵の過去が浮かびあがる。危機に瀕して苦悩する平蔵。これは読み応えのある傑作。それにしてもいよいよ鬼平犯科帳シリーズの終わりが近づくなぁ。

 

 

 


 

 

文春文庫[決定版]鬼平犯科帳23

特別長編『炎の色』

裏表紙

謹厳実直な亡父・長谷川宣雄の隠し子出現に、平蔵は苦笑い(「隠し子」)。夜鴉がしきりに鳴いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられる。「新しい荒神のお頭を手伝ってもらいたい。二代目は女だ。先代の隠し子さ」。先代の助太郎親分を思い、おまさの心が騒ぐ(「炎の色」)。二人の隠し子登場で、新たな物語が始まる。

 

 

文春文庫鬼平犯科帳24

特別長編『誘拐』

裏表紙

おまさは、昔の仲間・お糸を茶店で見かける(「女密偵女賊」)。火盗改メの役宅にきた新しい「まわりの髪結い」、その名は五郎蔵だった(「ふたり五郎蔵」)。荒神のお夏はおまさへの思いを断ち切れず・・・・・・未完となった最後の作品「誘拐」。尾崎秀樹「池波正太郎の文学」と秋山忠彌「平蔵の好きな食べもの屋」を併録する「鬼平」最終巻!

 

未完の作品「誘拐」がどのようななりゆきになり、そしてどのような結末を迎えたのだろうか。自分でそれを作ってみるのもありかな、などと思ったりもしたけれど、ま、見当もつかない。作者逝去がなかったとしたら、鬼平はどこまで続いたであろうか?

 

感嘆の思いを胸に「鬼平」読書が終了したけれど、いつかまた最初から順番に、もしくはアト・ランダムに引っ張り出して読むことになるだろう。