5/22(日)粟谷小屋から日出ケ岳までは、もう危険な川沿いを歩かなくてもいい。その代わり、ずっと登りが続くことになる。
ま、今回登山の正念場を迎えたというところか。
それからはひたすら体力勝負。
と、ここで急坂を登り始めてすぐに初日に大幅に遅れた高齢者の動きが止まった。
「動かんとどうにもならんよ」
と声をかけられたが、上り坂になると身体が動かなくなるのだ。
上り坂のきつさは誰もが同じだけど、ここを踏ん張るしかないのだ。
この人は別行動で後からついてくることになった。これに不愛想な若い女性とツアーガイドさんがついた。かくして我々は山岳ガイドさんを先頭にして歩き始めた。
上り坂ではあるが、歩き易い登山路。
“がね”の前を歩いたのが、福岡から参加した3人のうちの一人の女性。
顔立ちの整った上品な女性。
「素敵な人だな」と思いながら後ろをついていく。そのうちにときどき話しかけるようになる。登山中は歩くことに集中しているので、すぐに返事が返ってくることはない。
ま、しかし、数時間、ずっと一緒に歩いていると、それなりに少しは話すこともある。初めは“がね”から一方的に話しかけていたのが、やがて女性から声をかけることもあるようになる。
ま、仲良くなりかけたのである。
しゃくなげ平からいよいよ日出ケ岳山頂を残すのみとなった。(続く)