なぜ『大台ケ原へ』なのか。
奈良県と三重県には行ったことがない。これまで無縁の地である。大台ケ原はその奈良県と三重県との県境。
今回の大台ケ原登山は、ツアーガイドさんに引率されて山を歩いて帰るだけで、奈良県と三重県に行くには違いないけど、その他については車で移動しながら景色を眺めるのみ。
ただし、この1、2年、古代小説、そして南北朝時代の小説を読んでいて、ただの一度もいったことがないからこそ、奈良の都、そして背後にある山へのあこがれは沸々と醸成されている。
吉野、あるいは熊野古道など、紀伊半島の山中を舞台にして描かれるシーンは多い。交通網の発達により、その時代と現代とでは比較にもならないだろうが、それでも山深いイメージが崩れることはない。
今回の大台ケ原登山は、紀伊半島の山深いところに足を踏み入れるイメージなのだ。
4月、うき山の会総会の席上、大台ケ原遠征登山の説明があった。
「出発前にYOU-TUBEを見ておくように。YOU-TUBEを見て、“ダメだ、自分には無理だ”と思った人は参加を控えてもらいたい」。
え、そうなのだ。
ならばと、YOU-TUBEを視聴した。
大杉谷の断崖岩壁を削り、狭い登山路が作られている。岩壁に鎖が取り付けられているので、その鎖につかまりながら路を進む。
岩に頭をぶつけたときのためにヘルメット着用。片側は断崖絶壁。吊り橋と7つの滝が連続する。
初日は、6㎞を3時間かけて桃の木山の小屋まで。その日は山の小屋に宿泊。
翌日は大台ケ原、日出ケ岳に向けて出発。前日と同じように崖を削りとった山路を、鎖を頼りに歩く。この日は8km、標高差1000m。
う~む、これはハードなウォーキングになるんじゃないかなぁ。(続く)