直木賞作家初の長編、堂々復活。

 

文庫本の帯に記してある安部龍太郎、2作目の作品。

 

このところ『家康』シリーズを始め、文庫本になった最近の作品を読んできた。ところが、先日、宇城市シティーモール内蔦屋書店に平積みされていたのが、この『黄金海流』。どのような内容なのかわからないまま本を手に取った。

 

ともかくとして、手に汗握る面白さであった。映画、舞台、連続テレビドラマにしてもよさそうである。

 

 

そんなことはいいとして、ここで(上)巻の裏表紙

江戸の人足寄場を束ねる呑海に持ちかけられた、伊豆大島・波浮の築港計画。それは従来のモノ・カネの流れを革命的に変えるものだった。計画阻止を狙って忍び寄る、深い闇。立身出世を夢見る下田の役人、狩野英一郎に下ったのは、築港のキーパーソン暗殺の命だった・・・・・・。濁流のごとくうねる、正義、思惑。暗闘に次ぐ暗闘。結末やいかに!

 

 

続けて(下)巻の裏表紙

波浮の築港計画を進める程に苛烈さを増す妨害工策。評定に必要な測量図は奪われたまま、運命の時は迫る。次第に明らかになる、黒幕の正体と幕府内の権力争いの構図。国の在り方を問う抗争のカギを握るのは、岡鉄之助の失われた記憶だった・・・・・・。直木賞作家、安部龍太郎による若き日のサスペンス巨編、大幅に加筆修正して堂々復活!

 

裏表紙の記述のとおりではあるが、安部龍太郎の筆であれば、時代背景が物語の骨組みとしてある。田沼意次と松平定信。江戸幕府の窮地を救うため登場した人物であるが、その政策は真っ向から対立する。

 

 

伊豆大島・波浮の築港計画においてもしかり。築港計画を推進する人々と、これを阻止しようとする人々。スケールの大きい物語が展開する。

 

う~む、これではこの物語の面白さが伝わらないと思うけど・・・。