読みかけというのか、なんにしろ未だ読み終えていない本があった。

 

野田知佑『日本の川を旅する カヌー単独行』。

 

え、まだ読み終えてなかったの?

そう思われるブロガーさんがいるだろう。

 

この本を紹介してくれたのはブロガー“へいぞう”さん、そして、野田知佑愛読者“よはな”さん。この本を機にコメントをいただくようになった。

 

この本に縁があったと思う。教えてもらってすぐにモン・ベル登山用品ショップに行くと、なんとこの本が売ってあったのだ。なぜならこの本は、mont-bell booksだから。思いがけない幸運が重なって、すんなりと本を入手することができた。

 

しかしながら、これまでノン・フィクションを苦手として遠ざけてきた身には、なかなか手強い相手。カヌー単独で川を旅するなど、それまで思いもしなかった。また、日本全国の川といっても、名前を聞いたことがある程度で何も知らない。川の流域の土地も知らない。そういうことで、川から陸地を見る視点がユニークで著者の体験談は楽しめるが、一気読みというわけにはいかない。

 

 

はじめになじみのある九州の『菊池川』『筑後川』を読んだ。

 

それから四国の『四万十川』。この『四万十川』に特別な思いを抱いた。宮本輝『流転の海』の主人公松坂熊吾の故郷が南予であることから、小説の舞台を訪ねてみたいと思っていたし、NHK-TV『ブラタモリ』の四万十川特集を視聴した。そんなことがあって、「この春、四国に行くぞ」という気持ちが膨らんでいたのだけど、。ま、それはコロナ騒動で残念ながらボツ。

 

北海道の『釧路川』『尻別川』については、本を読んだ後に北海道バスツアーで尻別川に架かる橋を渡った。

 

東北の『北上川』『雄物川』については、安部龍太郎『冬を待つ城』を読んでイメージが広がり憧れもした。

 

それから関東・甲信越の『多摩川』『信濃川』ときて、中部、京阪、中国地方を読み進めた。

 

しかしながら、この本に読了はない、と思う。読めば、そこに行きたくなる。行きたくなれば、また本を読む。そういうふうに繰り返し、反芻するものではないか。遅まきながらというか、ようやくというか、『野田知佑カヌー単独行』ファンになりつつある。最末端の一員だけど・・・。

 

 

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