『羽羽』
正木ゆう子 第五句集
はは、掃き清める大きなつばさ
第51回蛇笏賞受賞
春秋社
風の香り、水の流れ、星の輝きに宇宙の鼓動を聴く森羅万象への直感が鮮やかに紡ぎだす言葉も世界
以上は帯に記されている説明文
さらに次の五句
虹を呼ぶ念力ぐらい身につけし
真炎天原子炉に火も苦しむか
十万年後を思へばただ月光
たらちねのははそはのはは母は羽羽
降る雪の無量のひとつひとつ見ゆ
以上がこの句集の代表句ということになる。
ま、素人がどうこういえるようなことではない。余計なことを書けば顰蹙を買うのは目に見えているので、自分なりに「ああ、この句、好きだな」と思う句を並べてオシマイにする。
はなびらと吹き寄せられて雀の子
かへりこぬ匂ひのひとつ日向水
蛍火を呉れたるのみの縁にて
鬼灯を裂く過ちの初めかな
へんくつなばあさんになろゐのこづち


