『熊の皮』の次は、『熊と踊れ』。

アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ

〈訳〉ヘレンハメル美穂・羽根由。

 

熊つながり。

 

 

『熊の皮』の舞台はアメリカ、『熊と踊れ』はスウェーデン、ストックホルム。マルティン・ベックのシリーズとミレニアムのシリーズと同じ。

 

なんとなくだけど、ストックホルムが舞台の小説になじみがある。地名とか人の名前とか、違和感がない。

 

犯罪者のグループと犯人を追う警察の動きとが、交互に記述される。きっちりした小説の構成。読んでいて飽きがこないし、臨場感が持続する。例によって、文庫本裏表紙の記述を引用する。

 

凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセントの三人兄弟。独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。その目的とは史上例のない銀行強盗計画を決行することだった―――。連続する容赦無い襲撃。市警のブロンクス警部は、事件解決に執念を燃やすが・・・・・・。はたして勝つのは兄弟か、警察か。スウェーデンを震撼させた実際に事件をモデルにした迫真の傑作。最高熱度の北欧ミステリ。

 

 

ざわざわと胸騒ぎがする。映画を見るように文章を映像化しながら小説を読んでいる。

 

わが身を銀行強盗の一味として読み進めるか、犯罪者を追い詰める刑事として読み進めるのか。

どちらにも行ったり来たりする。

 

胸が苦しくなるような緊迫したシーンが続くと、冷めた苦いコーヒーを口に含んだようなシーンが、交互に混じりあう。次第に息ができないほどに熱を帯びてくる。

 

 

そこで(上)が終わる。

 

ここらで一息入れて気持ちを解放しよう。ここは少しインターバルを入れ、機が熟したところで、下巻を一気読みしようじゃないか。(続く)

 

 

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