宮本輝の小説『流転の海』第五部。
いやはや、もう想像を絶する『花の回廊』。
熊吾の妹タネの家族が暮らす蘭月ビルに両親と別れて暮らす伸仁。伸仁は蘭月ビルに住まう様々な人々との交流が始まる。
さて、ここで裏表紙だ。
昭和32年、松坂熊吾は大阪で再起を賭け、妻房江とともに電気も通らぬ空きビルに暮らしていた。十歳になった伸仁は尼崎の集合住宅に住む叔母に預けられた。居住者たちは皆貧しく、朝鮮半島からやってきた人々が世帯の半ばを占め、伸仁は否応なく凄絶な人間模様に巻き込まれていく。一方、熊吾は大規模な駐車場運営に乗り出す。戦後という疾風怒濤の時代を描く著者渾身の雄編第五部。
さすがによくまとめてあるなぁ。
実のところ、小説を読み進めながら興奮し、物語に魅了されて、ただ小説の筋を追っていた。これでもかと次々に起きる多くの出来事の渦に巻き込まれてしまった。
はぁ~、もはや何をかまた語るべき。
読み終えると、この先を読み進めたいという強い気持ちがつのる。
がしかし、ここで、珍しいことに、もう一度、初めから読み返し始めた。
読み返しても、やっぱり新鮮なのが、不思議な第五部。
しかしながら花の回廊って?
なんというタイトルだ。
P.S.
あっ、花とは咲子か?
伸仁が、この先も咲子と何らかの関りを持ち続けるのだろうか。


