この本もブログ記事で見た。

 

入院している友人のお見舞いに湊かなえ「物語のおわり」を持参したという記事。本はどのような内容だろうか、タイトルも少しは気になった。それでこの本を読むことにした。

 

ブログを始めてからというもの、ブログ記事に触発されて本を読むのは割とよくあるパターン。

 

それまで名前も知らなかった作者、絲山秋子の「離陸」がそうだった。それから絲山秋子作品をあらかた読んだ。

 

朝井まかてもそう。「恋歌」から「阿蘭陀西鶴」、数は少ないけど、「落陽」「残り者」。

 

湊かなえは、毎年1年に1冊ずつくらい読んでいるかな。吉永小百合主演映画「北のカナリアたち」の原作「往復書簡」が始まりだったか。「告白」「望郷」「リバース」などを読んだ。そして「物語のおわり」。

 

 

目次

空の彼方

過去へ未来へ

花咲く丘

ワインディング・ロード

時を超えて

湖上の花火

街の灯り

旅路の果て

 

かつてあった映画のタイトルのようなラインナップ。

 

まずは「空の彼方」を読むと、面白い。

湊かなえ。ああ、なんというストーリーテラー。うなってしまう。まったく頭が痛くならない。すいすい。わかりやすい。

 

「空の彼方」の終わりに「*」。

この物語に続きはない。結末は読み手の想像にまかせる。煩わしい日常の中ではそんなことに思いを馳せる余裕はないけれど、おわりのない物語は、旅のお伴にするにはちょうどいい。

 

「過去から未来へ」舞鶴港から小樽港へ船旅をする女性が、船室で読んだ「空の彼方」。

 

ああ、自分のためのメモ書きを連ねても、ブロガーさんにはなんのことだか、まるでわからない。ここはやっぱり文庫本の裏表紙を引用しておくべきだ。

 

病の宣告、就職内定後の不安、子どもの反発・・・・・・様々な悩みを抱え、彼らは北海道へひとり旅をする。その度の途中で手渡された紙の束、それは「空の彼方」という結末の書かれていない小説だった。そして本当の結末とは。あなたの「今」を動かす、力強い物語。《解説・藤村忠寿》

 

あ、待てよ。文庫本の帯がある。

表帯。

 

あなたなら、どんな結末にしますか?「未完の物語」を手にしたとき、新たな人生の歯車が動き出す。

 

裏帯。

智子 妊娠三ヶ月で癌が発覚し、子どもをあきらめて手術をするか否か悩む

拓真

綾子

木水

あかね

 

読み進めるほどにどんどん引き込まれてしまい。ますます面白くなり、先を読みたくなる。やっぱり湊かなえだ。うなるしかない。

 

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