少し前、青山文平「つまをめとらば」を読んだ。そして読了後、うなってしまった。
これは面白い。
そしてすごい。
それで青山文平の2冊目として「励み場」を読むことにした。
「つまをめとらば」は直木賞受賞作の短編集だが、「励みば」はそれよりは長い。
帯に次のように記してある。
己の持てる力のすべてを注ぎこむのに足りる場処――それが励み場。
再縁の妻と武家を目指す夫。ふたりの心を大きく揺るがせる事件。
直木賞作家による極上の長編小説。
士農工商の身分のほかにも細かい階級差がある時代に職業選択の自由はない。そんな時代にあって最善を尽くす姿が胸を打つ。家族愛と夫婦愛が巧みに配されるこの本にまたうなるしかなかった。
オシマイに近づくにつれて緊迫感が高まっていく、なんという構成力。先へとはやる気持ちをなだめつつ、一気に読み終えた。
これは他にもう2、3冊読まないわけにはいかなくなった。青山文平にはまったな。


