豊野町鐙ヶ池でハグロトンボの写真を撮った後、夢マート松橋で夕飯の買い物、そして不知火図書館に立ち寄った。駐車場に来客の車が多かった。雨のときや暑いときにはエアコンの効いた図書館は天国に思えるのかもしれない。宇城市4団体写真展の最終日でもあった。
何を借りるために図書館に来たのかといえば、猪瀬直樹「太宰治伝ピカレスク」。
図書館に入ってすぐにある図書検索をかけると、この本がここに「ある」と確認できた。そこで「あいうえお」順に並べられた著者名の「い」を探していると、声をかけられた。
「こんにちは。ゆっくりしていってくださいね。」
「あ、どうも。本を探したらすぐに帰ります。」
と答えて探し始めたけれど、猪瀬直樹を見つけることができない。小説ではなく評論だからと評論の棚に移動するが、やはり見つけることができない。
そこで本を探してもらうことにした。ほどなくして「ありました」と手元に届けてもらった。ついでに絲山秋子短編集「忘れられたワルツ」(なんだかおしゃれなタイトルではないか)も併せて2冊借りる段になって、カウンターに本を持ち込むと、
「利用者カードの更新手続きが必要です。証明できるものはありますか。」
そこで運転免許証を提示し、スマホの電話番号、自宅の定置電話番号を告げ、その他、変更がないことを申告して
「更新手続きは終わりました」。
かくしてようやく2冊の本を借りることができた。図書館で本を借りることをしなくなって数年が経過していた。いつ何を借りたのか記憶にない。世の中には不特定多数の人が触る図書館の本に手を触れたくないという人もいるらしいが、そんなことは全く気にしない。ただ、探す本を図書館に置いてないことが続いた。また今回のように自力で探し出すことができないために足が遠のいた。知っている人がいると助かる。


