少し前、宇城シティーモール内の蔦屋書店で藤沢周平「一茶」が目立つところに平積みしてあるのに目を停めた。近いうちにリリー・フランキーの主演で映画「一茶」一茶伝が公開されるようである。
皆さんご存じのとおり、blog句会に投句し始めて半年を経過したところであるが、俳句にまつわる諸々のことをまだ何も知らない。小林一茶も国語あるいは歴史の教科書で知っている程度のことで、何も知らないから一応読んでおいた方がよさそうだと思った。
藤沢周平であれば小説として間違いがなかろう。小説「一茶」は一茶の生涯を書き記したものである。文庫本の帯には以下のように記してある。
生涯、二万に及ぶ発句。稀代の俳諧師、小林一茶、その素朴な作風とは裏腹に、貧しさの中をしたたかに生き抜いた男。遺産横領人の汚名を残し、晩年に娶った若妻と荒淫ともいえる夜を過ごした老人でもあった。俳聖か、風狂か、俗事にたけた世間師か。底辺を生きた俳人の複雑な貌を描き出す傑作伝記小説。
小説「一茶」は一茶の生涯を描きながら、江戸時代の俳諧の世界がどのようなものであったのかを興味深く知ることができる。
帯に書いてある俳聖か、風狂か、俗事にたけた世間師か。
一茶はすべての顔を併せ持っていたのだろう。
生まれつき豪商であるなど、生活に困らない者でなければ、俳諧師として生きることは容易でなかったはず。多くの門人を擁した者だけが世に名を成す俳人とは限るまい。一茶は、句を詠むことに心血を注ぎ、そして生活を維持するために奮闘した。
壮絶な人生であった。
これらは江戸時代の俳人だけではない。現代においてもアーティスト、ミュージシャンなど同じように奮闘している人がいるだろう。
またしても稚拙なる読書感想文になってしまったけれど・・・。


