祖母山北谷登山口から風穴までが登りの半分くらいであるが、ここらで“うき山の会”が2つのグループに分かれる。1つは身体が温まり筋肉がほぐれて、すこぶる快調に歩みを進めるグループ。もう1つが苦しくなって身体が思うように動かないと感じ始めるグループ。

 

 

がねを除いて会員に共通しているのが、ザックの重量である。夏場は特に水分を絶やさないよう、みんなペットボトルを4本装備している。それに加えて、近々実施される遠征登山に備えて、ザックが重装備なのだ。

 

 

トレーニングではあるが、肩にずっしりと重みが加わり血流を妨げる。肩が痛くなると、全身の倦怠感が増すのだ。がねはザックの中身を減らして軽量にし、始めからほぼ最後尾をゆっくり歩いたので、先頭から次第に離された。

 

ゆっくり歩く分にはきつくはないが、ずっと急登が続くので程よい感じだった。ときには空を見上げ、ブナなどの樹林帯の明るい緑色に目を楽しませながら歩いていると、ドウダンツツジ(満天星躑躅)が咲いていた。

 

 

登山路に花の絨毯を敷いたようなところがあり、もうドウダンツツジの花の時季が過ぎようとしているのだ。それでも目の前に現れる可憐な花を見ると、パッと気持ちが明るくなって元気が出る。

 

 

々に咲くドウダンツツジを見ながら歩みを進めると、やがて尾根に出る。尾根の先に展望のよい岩があって、最後尾を歩いた4人はここにザックを降ろし、しばしの休憩をとりながら眺望を楽しんだ。

絶景である。

絶壁の岩に這いつくばってミヤマキリシマが咲いていた。

 

 

休憩後は尾根道を歩いて祖母山の山頂へと向かう。先頭が2時間、最後尾の我々が2時間半。だいぶ間が伸びたけれども、ともかく祖母山の山頂に立つことができた。(続く)

 

 

満天星の花の絨毯踏みにけり/がね

 

ペタしてね