4/16(日)文芸誌「しらぬい」現地研修会は塚原古墳を後にした。

学芸員Kさんが先導する車に従い、次に向かうのは不知火町桂原地区の蕉夢庵。

 

 

宇土の細川支藩第5代藩主の別荘地であったのだが、今では建物跡の礎石を残すのみであり、その礎石ですら草ぼうぼうの状態で埋もれている。緑一色の野原がそのままで美しいと言えなくもないのだが、ここでも宇城市の学芸員Kさんが持参した資料に基づいて懇切丁寧な説明をしてくれた。既に複数回ここに来たことのある人もいるにはいるが、ほとんどの人が初めてであり興味を持って話に聞き入っていた。

 

近くで焼き物の窯を営む人がいるのだが、あいにくこの日は休みだった。それで九勝の石を見に行くことにした。九勝の石というのは、桂原地区の蕉夢庵を広い範囲で囲むようにしてある巨岩のことで、9か所に配置されている。容易に見ることができる2つの石を見ることにした。

 

 

雷鳴園(らいめいのえん)が蕉夢庵の北に流れる川向うに見える。昨年の大雨により手前の岸の木がなぎ倒されてまっすぐ前方に丸見えになったのである。石を見て「おおすごい」と思わないかもしれないけれど、これを風流だと思うかどうか。それは全くもって個人の感性である。

 

次に蜜柑畑の間を縫うようにくねくねジグザグに学芸員Kさんが先導する車に従い車を連ねると、松韻谷(しょういんのたに)。谷の松が風にそよぐ音がする。風の音や風にそよぐ音を聞いて風流だと思うかどうか。これもまた同じ。

 

 

そうはいってもその風流をなぞらえるように車を走らせれば、がねの車やブログ「乙女の靴音」さんとそのご主人、城主さんが運転するSUV車であれば問題ないのだが、もう一台の車は朱判さん運転のレクサス。高級乗用車が山道を走るのは用途に合致していない。舗装されているとはいえ、狭い道の両側からはみ出して生えている雑草、雑木の枝が車体にバチバチ音を立てるのだ。朱判さんには可哀そうなことになったかもしれない。(続く)


 

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