11/28(土)朝から皮膚科医院に出かけた。

もちろん遠藤周作「海と毒薬」を手に持って。


出だしのパートから遠藤周作の文章に魅了された。

あるサラリーマンが都市部近郊に引っ越してきて、風変わりな住民たちとの交流が始まるのだが、その中に風変わりを通り越してなんだか怪しい医師がいた。ところが診察を受けてみると、冷徹な技量を持つ医師であることがわかる。ますますもって怪しい。


思いがけず、その医師が発した言葉から、F市の出身であることが分かる。たまたまF市に出かけることになった男は、戦争中にF市にある大学病院で起きた事件について調べ始める。


白菜
レタス
ほうれん草
ほうれん草
ねぎ
隣の畑


次は、大学病院に勤める若き医師の物語。

やはり遠藤周作の筆はさえる。導入部とは無縁であるが、空襲で数え切れない人が死んでいく。大学病院内では米兵の捕虜の人体実験が進められようとしている。極限状態下の若き医師は?


ま、そんな物語なのだが、さっさかさと先に読み進める本ではない。立ち止まり、反芻し、考えをめぐらせながら、少しずつ読む。


気晴らしに医院の外に出てタバコを喫う。医院の隣に畑があり、いろんな野菜が植えてある。虫に食われて伸び放題。無農薬なんだろうな。