大浪池避難小屋から韓国岳避難小屋まで大浪池を周回したところで、3分の1ほど歩いただろうか。
ここで長めの休憩をとる。
ザックを降ろし、軽食をとる。
バナナをもらったり、コンビニで買ったスイーツを分け合ったりする。
そこにいたのがNPO山岳救助隊員。
その日は数年前に起きた小学生遭難事故の命日にあたる。どのような状況だったのか、詳しい話を聞くことができた。ほんのちょっとしたことが取り返しのつかない事故につながる。いつ誰にでも起こりうる。
このような事故を避けるためには当たり前のことを確実に守ることが必要である。お調子者で、放っておけばすぐに脱線するがねなどは心しておかねばなるまい。自戒を込める。
そうそう、大浪池の先にそびえる韓国岳の上に、ぽっかりと白い雲が浮かんでいた。
白雲のぽっかり浮かぶもみじ山(がね)
またもや見たまんま。
「アワダカセイタチソウとアキノキリンソウは同じだって・・・」
「それを言うならセイタカアワダチソウ」
「紅葉踏む鹿ぞ鳴くなり・・・」
「それを言うなら 奥山に紅葉踏み分けなく鹿の声聞くときぞ秋は悲しき」
ほとんど分裂症気味に妄言を繰り返すがねに対して、Fさんが律儀に訂正してくれる。
「こいつアホや」
と思われたに違いない。
それに加えてずっとFさんの名前を間違えて話しかけていた。さすがにムッとしたFさんが
「名前は○○ですから!」
と訂正をした。
Fさん、ごめんね。
大浪池周回コースを歩いている“うき山の会”は一休みした韓国岳避難小屋を出発し、韓国岳左回り登山口分岐に至る。それから急坂が続いたが、坂を登ってからは平坦な道になり、眺望が開けた。
展望所から池を覗き込むようにして見ると、さざ波の立つ水面が陽を浴びて光り輝いている。池の周りには所々に紅葉がある。
銀鱗に輝く池の薄紅葉(がね)






