ロープウェイを天神平駅から土合口駅に下ると、一ノ倉沢へと向かうバスがあった。せっかくここまで来たのだから是非とも行ってみようということになったのだが、残念ながらバスは午後2時までで運行を終了していた。
一般車両通行止めになっている道を1時間ほど歩けば、一ノ倉沢が見える場所まで行くことができるのだが、谷川岳に登って来たばかりの身にはきついと判断した。
翌日は苗場山登山を控えてもいる。無理をせず、できる範囲でというのがモットーであるから、それを断念し、ヴィレッジ・ヨシタニのバスの乗り込み帰宅することにした。
明るい内に宿に着くと、やはり夕飯まで時間の余裕があった。
体力にも余裕があった。
気持ちにも余裕があった。
夕飯には魚沼産コシヒカリのご飯がある。ヴィレッジ・ヨシタニのオヤジさんが作っている。米作りのサークルがあって、東京などに住むサークルのメンバーは田植えや稲刈りに集まるのだという。自分で植えて自分で収穫したコメを持ち帰る仕組みになっている。
どこかのブログで見たけれど、おかずはハンバーグやカレーではなく、種々の山菜が煮物や和え物やサラダになって出てくる。山歩きを趣味とするメンバーにとっては何よりのごちそうである。
感激の面持ちで宿が用意してくれた食事を頬張っている。がねは食事よりも酒だ。この夜は親父さんが夕飯に付き合ってくれて、鶴齢、高千代、魚沼の一升瓶がテーブルに並べられ、これを飲み比べてみるのだ。
オヤジさんは高千代が好きだという。がねは甲乙付け難く、あれやこれやと取り混ぜて飲んでみた。う~ん、全部うまいとしか言いようがない。(続く)








