山本周五郎「樅ノ木は残った」をまだ図書館から借りていないので、ブログ記事にしたものの約束を果たすのは先のことになる。しかも長編小説であるから読み終えるのはいつのことか分からない。


そういうことで、NHK連続テレビ小説「花子とアン」があったのはもうずいぶんの前だったように思えるが、柳原白蓮をテーマにした林真理子「白蓮れんれん」の文庫本を読み始めた。何かの拍子に買ったものの放置していたのである。


林真理子はテレビに出てしゃべっている印象が良くなかったので、これまで一冊も読んだことがない。どんなものか読んでみるかという気になった。なぜなら美仙さんが“林真理子を読む”とブログに書いていたから。それに著作を読むことはなかったが、文芸作品の評論をマスコミで見ることはあった。


蓮



さて、九州の炭鉱王に嫁した柳原白蓮だが、年下の宮崎龍介と駆け落ちをした。宮崎龍介は熊本にも縁があり、放送が終わってからも関連する催し物が開かれたようである。


白蓮の駆け落ち事件はテレビのワイドショー的な覗き趣味のようで気が引けるけれども話題にする人が多く、こういうのも押さえておくかという気持ちもあった。それに白蓮という歌人の生き様に興味を惹かれたのも事実である。


読んでみると、これが意外に面白い。なぜなら、妾の子とはいえ天皇の血縁にして東洋英和女学院で学んだ才媛が、九州の炭鉱王に嫁し筑豊での暮らしを営み始めたのであるからして、九州の片田舎とのギャップが想像を絶するのだ。


真面目に事実を記載すればするほど、悲劇のストーリーのはずがいつの間にか喜劇と化しているではないか。がねにとっては、ということだけど…。


これが始まりの部分。(続く)