ソール・ベロー「この日をつかめ」
大浦暁生訳
―44歳になるトミー・ウィルヘルムの半生は、失敗の連続だった。おまけに現在の彼は、もう何か月も職がなく、妻子と別れて父と同じホテルに住んでいるものの、部屋代にも事欠き、投資につぎ込んだ700ドルも果たしてどうなることか分からない……。人生の峠を既に超えたかに見える一人の男の危機的な一日を追いながら、窮極の状態における人間存在の意味を問う、ノーベル賞作家の代表作―
と、文庫本の裏表紙に記してある。
いつ、どのような状況で読もうとしたのか、記憶にない。いつか読もうと思ってそのままになったのではないか。30代の頃、読み始めたものの興味が湧かないで、そのまま放置したというところだろうか。
今読んでみると、違和感なくすんなりと物語に入り込めるのだが…。
ウィルヘルムは第2次世界大戦後のアメリカ、ニューヨーク、セントラル公園に近い地区にあるホテルにいる。ニューヨークにいる膨大な数の年老いた男女のうち相当の部分がここに住んでいる。こういう老人たちのあいだにいると、ウィルヘルムは場違いな感じがする。
なにやかやとあって時間が作れなかったので、まだ読み終わっていない。
とりあえず中間報告。

