二度目の訪問は、梅雨の蒸し暑い日。

 

いつ雨に降られるか分からない。陽が照れば蒸し暑くて不快指数が上がる。山歩きをやめて、昼食をどこかでとろうと思い、喫茶ココペリにした。昼食のためだけにわざわざ出かけるのはめったにないことで、何かのついでに昼食をとるのが普通。それに喫茶ココペリは不知火町からは遠い。初めて行ったとき、きれいなオネーサンの顔をしかと見ず、ろくに話もしなかった。今日こそはと密かに期するものがあった。

 

喫茶ココペリに着くと、麦わら帽子をかぶりシャツを無造作にまとった女性が、前庭の芝刈りの途中で、五分の一ほど芝を刈ったところ 

「いらっしゃいませ。芝刈り機が故障してしまって・・・」

と話しかけてきた。軒下に無造作に並べてある木製の椅子に腰かけ

「ここでたばこ吸ってもいいですか。中はダメでしょ」

というと、灰皿ではない、何か金属製の器を持ってきてくれた。

「前にも来ていただきましたね」

オネーサンは覚えていてくれた。

 

もう一人の女性が石垣に乗っかって生け垣の剪定をしていたが、そろそろ客が来る時間になったと判断したのか、ドスン!と石垣から飛び下りた。オネーサンたちはおしゃれな田舎暮らしを演出するため、庭の手入れなどの裏方仕事があることを知った。

煙草を吸い終えると

「中にどうぞ」  

と促された。中には料理を担当するオネーサンもいた。店内は静かで上品ではあるが、アンティークに囲まれるせいか、懐かしさが漂っている。

ところで、ココペリの意味をまだ知らない。また今度、訪ねてみよう。