次に読む本は毛色の変わったものにしようと思った。
ヒントはブログからもらった。
ブロガーの「晴耕雨読」さんが、三島由紀夫「豊饒の海」全4巻のことを書いていた。
この本が前から気になっていて、根が単純なもので、“それじゃ”と第1巻「春の雪」を読むことにした。
三島由紀夫は「仮面の告白」、「午後の曳航」を読んだ程度、それも昔のことで記憶は薄いが、ともかく「春の雪」を読み始めた。
描かれている時代が大正時代というのは、興味深い。
しかし侯爵家の御曹司が主人公というのが、なんだかベルサイユのバラみたいで、どうかな~という感じ。
時代設定も登場人物も劇画的なのだ。
三島由紀夫の文章は煌びやかで、よくも言葉がこれでもかとほとばしるものだと感心するが、心理描写が繊細過ぎて、読むほどにがねには無縁。
正直なところ、こんな本を読んだところで何になるのだろう。
はなはだ疑問に感じる。
言葉の装飾過多なエンターテイメント劇画だと割り切って、面白がればいいのだ。
とりあえず自分にそう言い聞かせることにした。
そのうち異なる感慨に至るかもしれない。
まずは辛抱だと思って10章まで読んでみると、なかなかに面白いじゃないか。
あれれ~大変失礼しました。海じゃなくて雪でしたね。そういえば、雪が降る中の人力車の中のシーンがもうたまらない感じでしたね。

