ガラシアとは如何なる人物なのか。


 石田三成から人質として大阪城へ身柄を移れとの命令に対して、徳川についていた夫、細川忠興の妻として大阪の細川屋敷にて壮絶な最期を迎えるシーンが、大河ドラマなどで有名です。


 明智光秀の娘であり、織田信長の命により細川忠興の正室となり、5人の子どもをもうけた。その後の細川家を代々受け継ぐ正統的な家系の中に位置づけられ、熊本の泰勝寺にも墓があります。


 そして、キリシタンとして生きた女性として高い評価を受けることになります。そのうえ、美人であったことも間違いない。細川ガラシアの生涯は、人々の心をとらえて離さないのです。


 オペラ「細川ガラシア」は全3幕。

 第一幕は幽閉されている丹後の味土野におけるシーン。

 第二幕は豊臣秀吉が天下を治めた泰平の大阪、キリシタンの洗礼を受けるシーン。

そして第三幕はガラシアが、真っ赤な炎に包まれ、壮絶な最期を向かるシーン。


 この三つのシーンがガラシアの生涯を分かりやすく描写していました。オーケストラの演奏に歌があり、ガラシアの心情や置かれた立場などが、鮮明に伝わります。脚本、演出もよかった。


 そして、ガラシア役の福嶋由記さんは素晴らしい。また、侍女清原マリア役の村橋和子さんは、陰の主役といっても過言ではない。お二人とも魅力にあふれ、堂々たる演技と歌唱を、私たちに示してくれました。


 文句なしのブラボー。


 細川ガラシアについては、ウィキペディアによる説明をご覧ください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E5%B7%9D%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%A3


 ガラシアに関して本を読むとすれば、司馬遼太郎 「胡桃に酒」(短編集『故郷忘じがたく候』に収録)か、三浦綾子 『細川ガラシャ夫人』になりますかね。