落ちかかる月を

  見ている一人


  ほろりとぬけた

  歯ではある


          山頭火


しらぬいのがね-落ちかかる月を


 日奈久温泉街で見かけた山頭火の句が、いよいよ底をついてきました。残すところ、あと一つ二つ。


しらぬいのがね-ラーメン屋の店内


 10月初旬、暇を見つけてぶらりと日奈久温泉に出かけて、山頭火の句に出会いました。数回、写真を張り付け、記事にしてみると、老いと孤独、そして迫りくる死を感じさせられました。


しらぬいのがね-おみやげ屋


 山頭火は、放浪の旅の途中で、自然と自分を見つめ続け、その日感じたことを書き留めていたのでしょう。


しらぬいのがね-竹輪の製造販売店


 一方で、心地よい言葉のリズムやふっと笑ってしまうユーモアも感じました。