絵本作り方ノウハウ01
ものづくり教室スペースショウで絵本作りのレッスンをしました。
1、絵本ダミーの作り方(表紙、裏表紙、見返し、見開き、奥付け) 実践。
2、ストーリーの作り方(プロット、ストーリーボード、キャラクター、etc)。
3、1人でできるチェック方法。
4、テキストの作り方と注意点。
などを盛り込んで2時間。
駆け足ながらも、大切なスキルを全てお伝えしました。
幸い、この生徒さんは、すでに絵本の公募経験があったため、
その絵本を使って補足することができました。
今日は、その授業でも話の出た
「そのキャラクターである必要性はあるの?」について書きます。
その方の描かれたキャラクターは動物でした。
動物を描く場合
「人間でいいんじゃないですか?」
という問いが出てきます。
何故なら絵本を読むのは人間のこどもだからです。
人間のこどもが1番に感情移入しやすいキャラクターといえば、
同じ人間であろうと考えられます。
なので編集さんや出版社側は人間で描けるなら人間にしてくれ。
と思っている可能性が高い。
そこであえて動物にしようとするなら理由が必要になります。
「うさぎが好きだから。うさぎが可愛いから。うさぎを描きたいから」
と作者だけが納得してる理由では、
突っ込まれた時に修正させられてしまうかもしれません。
こちらの有名絵本はネズミが主人公です。
このネズミファミリーは木の根に住んでいます。
自然豊かな森の中をネズミの目線で描くことで、
ダイナミックに繊細に大自然を堪能できる絵本になっています。
ネズミだから14ひき家族が居ても不自然じゃありません。
森に住んで四季折々の自然の中で皆んなで生きることも、
学校に行かないことも、会社に行かないことも、
すんなり受け入れられるわけです。
人間の社会性から離れた上で、厳しい環境を家族で生きていく、
人間の動物的な側面、
本来の姿と幸せをキャラクターを通して体験できます。
あなたの絵本はどうでしょう?
どんな理由でそのキャラクターになっているのでしょう?
もっと相応しい形の、もっと説得力のある配役は?
他のキャラクターにしたとき作品はどう動き、どんな変化を見せますか?
作品の良さを1番に考えると、自然と明瞭になってくると思います。
うどんが主人公になっているこちらの絵本。
うどんが外へ飛び出します。
どこへ行くのでしょう?
なぜ外へ行くのでしょう?
うどんになって想像してみてから、絵本を読んでみるのも良いかもしれません。
うどんと言えば、時間が経つと伸びてしまう。
伸びたら美味しく無い。
そんなエピソードはあるかな?
外を走れば冷えてしまう。
あたたかいスープうどんを走らせたら、
スープが飛び出して無くなってしまうかも。
これは逃げてるのか?
油揚げにおいかけられているのか?
きつねうどんになりたくないのか?
誰から何故逃げてるのか?
もしかして学校の勉強から逃げてるのか?
いやいや、追いかけてるのかも。
誰を何故おいかけてるのだ?
器が壊れちゃったらどうなるんだろう。
もしかして泳ぐのか?
空を飛ぶのか?
他にソバも出てくるのか?
どうなっちゃうの、うーやん!
話は無限に膨らんでいきます。
答えは絵本を手に取りお確かめください。
そこにはキャラクターが「うどんである理由」が描かれていると思います。
うどんで無ければ成立しない、うどんならではのお話が。
そして、そこに作者らしさが見えてくるかもしれません。
次回に続きます。
お立ち寄り頂きありがとうございました。
*ここでは私が独学で得たノウハウをシェアしておりますが、それが全てでも真実でもありません。
1絵本作家として、作る側が見た現実や、研究を発表しております。
上記意見は参考程度にして、作品を実際に作って弾みで投稿したり、出版社に企画を持ち込んだりと、皆様の創作のツマミ程度にして、お楽しみください。