胆嚢摘出⑤ドレーン挿入 | 小腸がなくても平気です!〜しょーへーのブログ〜

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23歳の時に「原発性小腸軸捻転症」という病気にかかり、それ以来小腸がない状態で生活している日々をゆるーく綴っていきます。

高度救急救命センターの病室に入って1時間ほど経った頃だろうか、先ほどの先輩医師に処置を行うと言われた。ベッドに乗せられたまま、スターバックスのあるような広い廊下を通り、放射線科と書かれたドアの向こうへ運ばれていった。

放射線科は普段から通院のときにもレントゲンの検査でよく訪れていた。最初は同じ様にレントゲンの検査をするのかなと思っていたが、それにしては人が多すぎる。レントゲン技師だけでなく、先ほどの高度救急救命センターの医師もいる。そしてその人達がせわしなく動いていたので、ただの検査ではないことはすぐにわかった。その場で処置を行うのだ。胆嚢にドレーン(管)を通し、胆石ができたために詰まってしまった胆汁の逃げ道を作るのである。

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しばらくベッドの上で待っていると、麻酔の注射を打たれた。お腹の右脇から、かなり深いところにまで針を刺される。当然だがものすごく痛い。その後にワイヤーを通すのだという。常に何かを刺している感触があった。奥に入ってくるに従って痛みが増してくる。高度救急救命センターにいた医師曰く、ワイヤーを通し終われば8割は終了で、それまで我慢耐えれば大丈夫だとのことだった。麻酔が効いているので痛みはないが、何かが脇腹に刺されている嫌な感触はずっと続き、時折痛みを感じ、そのたびに麻酔を追加していくの繰り返しだった。

そんな中、1つ気になることがあった。レントゲン技師が明るく発する「写真撮りまーす」の声である。その声が常に明るくて人気者の知人にそっくりなのだ。もちろんX線の写真を撮るという意味でそう言っているのだが、本当に知人がカメラをこちらに向けている場面を想像してしまい、思わずピースをしそうになった。しかし現実は台の上で管を刺し込まれているのである。ピースなんてしている余裕はない。

15分ほどでワイヤーを入れ終わったらしい。すると医師が「これからが本番だ」と言ってきた。ドレーンを差し込むのだという。しかも、胆嚢の中まできっちり差し込むには、肝臓を貫通させなければならないらしい。しかも麻酔が十分に届かないので、かなり痛いかもしれないが我慢するように、ということだった。ワイヤーを入れるだけで8割と言っていたのは一体何だったのだろうか。

そしてドレーンが入ってきた。最初はワイヤーに沿って入れていくので、そこまで痛みはない。しかし段々痛くなってくる。肝臓を貫く瞬間は言われなくてもわかった。今までに感じたことのない、体内を刺される痛さだった。「ぬぉーーー」と声が出た。痛みは1分くらい続いた。

処置自体は30分程度で終了。体外に出ている方のドレーンの先には袋が付けられた。ここに胆汁が溜まっていくのだという。そしてストレッチャーに移され、高度救急救命センターに帰っていった。

しばらくすると外科のN医師がきて、袋に溜まった胆汁を確認していった。緑色に濁った見た目に汚い液体が溜まっていた。胆汁は問題なく出てきていると言ってN医師は帰っていった。

それから1ヶ月半程度、ドレーンが刺さった状態で生活することになった。



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