SHOUTER -10ページ目

SHOUTER

ブログの説明を入力します。

そこは葬式の場だったし


あたしは喪服を着ていたけど


それでもあたしは踊った


だってそれがあたしにできる最高の弔いだったから


厳粛な場で


みんな息をのみ


口を開けていたわ


あたしだけひとりで


汗が出てきた


黒いスカートはめくれ


ジャケットはよれてしわだらけになった


なにが起きているのか


誰も理解できないようだった


あたしは頭のなかで予定していたすべてを踊り終えると



棺に花を放り込んで式場をあとにした


なぜ あたしがこんなに動けるのか


それはみんなには関係ないこと


あたしがチューブに繋がれて


マスクを曇らせてるなんて


内緒よ


今日は前夜祭ね


もうすぐ行くわ
目が離せないくらい


危険な奴だから


だれか 俺を見ててよ


遠くから見たらガリガリなんだよ


近くで見たら折れそうなんだよ


ね 危険でしょ


見てよ


俺を見ててよ


丸く太ったイルカが


聴こえないくらいの声で励ましてた


海に沈んで絶滅するまえに


この場所に根をちょうだい


涙が溢れて


止まらないよ


君がしっかり抱いててくれないと


もう 崩れちゃうんだよ


なんてね ほんとうのことなのに


君に甘えられないまま


実際の俺はひとりで海のなか








肩…


首……


髪………


聴こえる
わたしの丸い肩に


君が触れたとき


自分が女性だってことを思い出したよ


君の筋張った腕に抱かれたとき


この世に男性がいるってことを知ったよ


わからないことが多すぎて


ただ 傷だらけになって生きてきた


かんたんなことができなくて


ひとりで殺してた


シャワーを浴びたあとは


濡れて気持ち悪かった


でも ちゃんと拭けば さっぱりするって誰も教えてくれなかった



みんな ただただ


濡れるなって


そればっかりだったんだ。