浅草演芸ホール7月上席9日目。普段田原町駅から浅草演芸ホールには歩くのだがうっかり乗り過ごして浅草駅に着く。浅草駅から寄席に向かうと今日は四万六千日様で浅草寺は大変な賑わい。せっかくなので散策してから楽屋入り。ほおづきを下げて歩く浴衣姿なんてのは江戸の夏らしくて良いもんです。今日は各所で『船徳』がかかるのだろうなぁ。


 文菊兄さんと楽屋話。7月9日10日の四万六千日の「お暑い盛り」という表現は実に見事だが、旧暦の話だから今の暦に合わせると今の四万六千日はお暑い盛りじゃないよねという話に。


 かなり最初から時間が押してて、私の前の出番のにゃん子金魚先生が「もう時間過ぎてるんだから!」を連発してて可笑しい。慌てて高座を降りてきてゼエゼエハァハァしながら「時間ごめんね!」って仰るが、先生達はむしろ時間をしっかり縮めてきてるので「さすが!」としか言いようがない。


 さて私だが、こんな時のために最近やってみようかなと短めの『出来心』を稽古しておいた。サゲの『花色木綿』までいかないショートバージョン、つまり『出来心』11分バージョン。そういう意味ではほぼ初演に近い。そこそこウケたのは良いのだが思ったほど短くならず実際には12分強。マクラで温めてから噺に入ろうと欲をかいたのがいけなかったな。申し訳ない。


 一度帰宅して家族で近所の「ほたる祭」へ。めぐろパーシモンホールで蛍を見せるために毎年行われるイベントだが、例年なかなか蛍が光らなくて困ってたらしい。今年は業者も変えて東武動物公園から専門家をお願いして、色々改善した結果じつに美しく光って子供も喜んでいた。スタッフの皆さんの苦労はいかばかりかと。雨が降ってきたので早めに退散。


 夜は新宿二丁目の道楽亭で柳雀さんとの二人会。開演時間を店主の橋本さんがフライヤーと違う時間でSNSで告知したものだから少し混乱した。よくあるケアレスミスだが、お客様からすれば告知された時間に着いたらもう開演してたでは失礼にあたる。橋本さんも恐縮していた。


 私のお客様は少なめで柳雀さんのお客様がほとんどだったので申し訳なかった。柳雀さんの出囃子は私が二ツ目の時の出囃子「お若いの」を使用しているため、一瞬自分の出番と間違えそうになる(笑)私はやっぱり『船徳』と『出来心』を。久しぶりに道楽亭で打上げ。色々な話題で盛り上がって解散。長い一日でしたわ。


柳枝