オフィスM's主催の国立大劇場の「市馬落語集」に出演させて頂きました。大劇場、凄いなぁ。普段歌舞伎やってるところですよ?1000人ですよ?流石に朝から緊張しましたよ。昇進の御祝儀とは言え一部のトリですからね。しかもメンバーが憧れの先輩ばっかりです。


 開口一番は頼れる正統派二ツ目市童さんの「黄金の大黒」で始まりました。そのあと白酒師匠の「代書屋」に爆笑。市馬師匠の正攻法の「締め込み」に改めて背筋が伸びて、仲入り後は一之輔兄の「普段の袴」、うちの師匠とのエピソードにこれまた爆笑。二部は三三師匠の「素人鰻」と大好きな市馬師匠の「七段目」。


 私はちなみに「船徳」でした。やり慣れたネタでないと冷や汗かくと思ったので選びましたが、それでも前半10分で冷や汗かきました。会場が広過ぎてテンポ良く噺を運ぶと客席に伝わるまでに時差ができてしまいお客様がついてこられないと分かったのです。「もう少しゆっくり落ち着いておやんなさい」と舞台が教えてくれてる気がしました。そんなことは百戦錬磨の今日出演してる先輩方はご存知なんでしょうね。後半は伸び伸びやらせてもらいました。温かいお客様と劇場に助けられた感じがしたのです。非常に勉強になりました。


 出番終わって楽屋でお弁当食べてたら市馬会長が「大劇場、初めて?どうだった?」と尋ねて来てくれました。「お客様との距離も近くて温かくて演り易かったです」と答えると「そうなんだよ。歌舞伎座も地方の芝居小屋も後押ししてくれる何かが宿ってるんだ」って仰っててやはりそうなんだと確信しました。芝居小屋には神様がいるんだと思います。


 こんな凄い人達の間で落語ができた幸せを噛み締めたいと思いました。機会を与えてくださった市馬会長とM'sさんに感謝です。


柳枝