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6時半起床。昨日の洗濯物はまだ若干湿っている。眠い目をこすりながらアイロン掛けをする。アイロンのあるホテルで助かった。朝食をレーズンデニッシュと目玉焼とソーセージとコーヒーで済ませてチェックアウト。ホテルの外へ出ると目の前が牧場になっていて朝焼の中での駿馬のいななきがなんとも言えず美しい。


喬太郎師匠が朝からホテルのエレベーターホールで痴話喧嘩を目撃。男は花瓶を叩き割り大惨事だったらしい。その後師匠が外にタバコを吸いに出ると男の方が号泣していたそうだ。フラれたんだろう気持ちはわかるが早朝から玄関で泣くなよ。ホテルも朝から大騒ぎされていい迷惑だ。


クララさん「きっと彼氏が部屋に入ったら彼女が他の男といたんだろうね。それで逆上したのよ」

喬太郎師匠「いや、昨夜男はいつも通りのつもりで女と一晩過ごしたんだな。だけど女の方はこれが最後のつもりだった。朝に突然別れを切り出されて逆上したんだよ」

爽やかな朝の会話。


武藤さんの荷物はまだ出てきていないが仕方なく出国。イギリスのヒースロー空港まで1時間のフライト。ヒースローからチャーターしたバスにてケンブリッジまで。ホテルにチェックインしてケンブリッジの学生さん達による大学案内。


ケンブリッジの街は素晴らしい!まさにハリーポッターの世界!!どこもかしこもダイアゴン横丁とボグワーツ魔法学校に見えます。


今回案内してくれたのはケンブリッジ大学日本研究科2年生の女子大生4人だ。カメラマンの武藤さんから「正太郎さん、鼻の下伸びてますよ」と注意される。


学内の普段は学生さんしか入れないエリアも案内してくれた。ケンブリッジはカレッジの集合体で、それぞれみんな寮に住むんだそうでその寮には図書館と教会が必ず付いているそうだ。ゴシック建築フェチの僕にはたまらないような建物に学生さんは普通に住み生活をしている。ディディさんの実際に住んでいる部屋に案内してもらったが日本文学や日本に関する難しい書籍がズラッと本棚に並び机には「ナルト」や「デスノート」のポスターが貼ってあった。


喬太郎師匠「こんな若い娘さんの住んでいる部屋を見ると『スプリング、ハズ、カム』のシーンを思い出しちゃうわ

そうそう!映画の中で師匠は一人暮らしの住まい探しをする若い娘の父親役でした!


そりゃ天下のケンブリッジ大生だから賢いのは分かっていたが、この4人はみんな日本語ペラペラ。それどころか日本文化に精通し、恐らく同世代の日本人の若者より日本の事を知っている。「日本文学で印象的な作品は?」と訊くと古典なら「伊勢物語」近現代なら「蓼喰ふ虫」と来たもんだ。


女子大生テシさんの発言。

「日本語には尊敬語や謙譲語があります。この概念は英語には無いので、英訳するとその部分自体が失われてしまいます。それがとても淋しいんです」

この子達はいずれ日本を支配すると思う(笑)


今回の旅は彼女達以外もみんな学生さんが街を案内してくれていますが、どこの国の学生さんも日本文化を理解し、愛してくれています。その若者達の姿に心底感動させられます。今回の旅がただの観光旅行と違うのはこうして欧州の人々と多く触れ合える点です。「日本大好きです!」と言われ天真爛漫な笑顔で僕らを歓迎してくれる人々の姿を見ると、日本人は僕も含めて自国についてもっと知るべきだと反省させられます。


今回の旅ではお世話になった方々にスケッチブックに手形とサインをもらっている。案内してくれたうちの一人、メルさんは日本では赤羽にホームステイしてたそうで日本語が流暢すぎる。その彼女がサインをしてた時に思わず出たセリフ。


「あ!いけね。英語間違えた!」


もうこれは完璧日本人でしょ(笑)


ホテルの部屋に戻ってシャワーを浴びながら先日喬太郎師匠が話してくださった師弟の関係についてふと思い出していた。喬太郎師匠もこの旅の最中にさん喬師匠のお話を時々してくださる。つくづく師匠というのはありがたいものだと痛感する昨今なのだが、鈴本の独演会があるにもかかわらず今回旅に送り出してくれたうちの師匠には感謝しかない。明日は師匠の独演会だ。落語の師弟関係だけは海外の人にもピンと来ないだろうなぁ…こればっかりは噺家にしかわからない。


明日はケンブリッジ公演だ。お休みなさい。