21ー階段が入り組んだ空間なんて想像したくもないが、あったらドキドキだ。
22ー長い長い一本道の階段があったとしたら何となく嫌だ。
23ー天国から階段が降りてきて、そこから下りてくる俳優は芝居がかっていて、照明もしっかり当たっている。ピアノのBGMは何ていう曲かはわからない。
24ー皮の階段はおとなしいようでひどく恐ろしいもの、柔らかいようで硬く、しっとりしているようでツルッ、ツルだ。ひどく滑る。
25ー階段をリモートコントロールで動かすとすれば、それは伸縮しかない。決して回転ではない。回転させる人がいれば、彼はいい人で道化者だ。友達になろう。
26ー階段芸術家として胸を張れないところがあるのは、これは単に、未だにデザインの通りに製作できたためしがないことに起因する。
27ーそうだ、二人で階段を昇ろう。手を引いて、話しながら、そして、何段目かあたりで、二人は飽きてしまうのか、二人は腹を立て始めるのか、しっかり記憶してみよう。その場所が、二人のクラウドかもしれない。
28ー浴槽の中の階段は不気味だ。まして、それがどこまで下に伸びているか不明だとしたら、これは暗黒でしかない。そう感じるのは、頭でっかちな人であり、実際には、足は階段から浮き始めて、足を階段につけることさえ難しくなるというのが現実だ。実に味気ない詩ではあるけど。
29ー当然のことだが、階段の足を載せる部分には足跡が付く、垂直な面には埃しか付かない、足を乗せることがないからだ。当然、汚れ具合が異なる。だとすれば、垂直面は初めから汚れていてもいいじゃないかということに気づいたジョニーがニヤリとしたのをみたマリリンは少しイラついていた。
30ー有名な詩の文字が一段づつに書かれていた。階段が終わった時、踏んづけていた文字が浮き上がり、目の前をくるくる飛び始めたとして、それをファンタジーと捉えられるほど、俺は落ちぶれちゃいねーって、引き戸を思いっきり開けてみたい。

