戦後、都会での労働力不足対応として、おそらくアメリカの指導もあって、「家庭」や「地域」や「親族」を破壊してきたように思う。その結果として、この戦後の流れだけで、日本は一人世帯が世界最多の率となった。家庭はどんどん崩壊している。親戚も崩壊している。「おひとり様」や「ひとりの自由」や「嫁姑」など、すべて「孤立生活」を推進するために寄与している。また、独り住まいが増えれば、不動産業界も建設業界もデベロッパーも住宅機器メーカーも外食産業もコンビニエンスストアも儲かる。そういう経済的背景が「孤独」を応援している。


 また、精神的な側面では、日本人の家の中、地域、学校、会社など、どこにも、気心の知れた仲間がいない。むしろ、敵がいる。SNSの世界も、恐怖の対象である。そして、学校や会社の組織からは逃げられないと思っている、依存が大きすぎるためだ。


 そこで、まず、組織への依存を緩和するために、個人の能力開発を徹底し、活かす「スリーワーク」を提案したい。三通りの学びの場、三通りの仕事の場に所属しながら、個人の能力をカウンセラーと共に育てる。

 さらに、世帯の人員は5ないし6名、コミュニティは地域で33世帯(150つまりダンバー数)と気心の知れた関係性を生涯持つ、また、個人を支えるカウンセラーと共に。犯罪を減らし、セキュリティを確保し、自身の可能性を高め、それを応援してくれる専門家を置く。


 イジメも、ハラスメントも、過労死もあってはならない。阻止せねばならない。また、乳幼児が貧困の悪影響を受ける、高齢者が孤独や貧困を感じる、認知症患者が年間2万人も行方不明になったり、自殺者が年間3万人もいてはダメだ。


 やはり、自由はあっていいが、「孤独」を回避する社会を目指すべきだと思う。