王座戦第四局、藤井聡太七冠が永瀬拓矢王座に勝ち、3勝1敗で王座を獲得した。

全冠制覇は、将棋界では、四半世紀ぶりのことであった。



本局でも、先手の永瀬王座は練った作戦で誘導して、序盤作戦勝ちとなった。

しかし、

一戦集中で常に盤上没我の藤井七冠は、

震えることなく、揺れることなく、

相手の勢いを吸収して、集中して、勝負に勝った。永瀬王座は十分らしさを発揮した。


ただ、藤井さんに、欲は見えない。

欲なく、ただただ勝ちたい!?

勝ちたいって、欲ではないのか?

勝ちたいって、思っていないのか?

ただただ「いい将棋を指したい」

いや「対戦相手と共に協力していい将棋を残したい」とだけ、考えて指しているような。

落ち着いて、戦闘的でなく。

対戦相手の永瀬さんにとっては、十分に戦闘的な対戦相手だったのだろうが。


ただゲームとして、それだけの楽しみという欲だけで指す。

相手のアイデアや意欲を吸収して、勝率八割超えで勝ち続ける。



いつ負けるんだ?この人?

いつ欲が出るんだこの人。


これから将棋界は、藤井八冠対他棋士となった。

誰がいつ藤井さんからタイトルを奪うのか?

藤井さんはいつ欲を見せて、震えるのか?

皆が藤井聡太さんだけを見つめる日が続く。

藤井時代が正式に始まった。