気候変動対応はGDPの1割を費やす案件であるから、気候変動だけでなく、その他全ての課題を含み解決する施策を実施しなければならない。
まだ確立していない技術もあるが、現時点でも十分な技術はあるし、それを実現する予算もある。最も効率的な社会として、エネルギーと食料の安全保障を高め、労働と教育を先進化して世界中の知を世界最速で吸収する。もって、将来的には独立国家として世界に貢献する競争力のある国を目指すための施策でありたい。
一言で言うなら、ヒト社会の「スマート・シュリンク」である。
野放図に拡大したヒトの活動をスマートに縮小し効率を高めデータ活用により快適で幸せな人生を作る。その中心的なシンボルとなるのが「スーパー・レジリエント・シティ」となる。
それは現代の天守閣、城下町として、50万人の住民が安心して暮らし、エネルギーと食料を自給し、産業も構成する。シティの内部にヒト(住民と観光客)が住まい、外部には野生動物や植物が繁殖する世界を拡大させる「リ・サンクチュアリング」を実行する。
両方の施策を実施していくのが、「スマート・シュリンク」である。
従来のスマート・シュリンクという概念はヒト社会のインフラが集中するイメージだが、やはり、併せて、積極的に自然領域を増やし、自然を資本主義の財とする考えを改めるべきである。自然には、もっと大きな価値がある。
これが現時点で最善の気候変動対応であり、SDGsを推進し、日本の特有の課題を解決する施策となると考える。
ヒト社会のシュリンクとヒト以外社会の保全拡大が同時にセットで実施されることが必要だと思う。