京セラは全従業員の幸福を追求するための会社で、稲盛家のものではないからです。
世襲してもうまくいくわけがないと思ったからです。私自身、もともと経営者の素質があったというよりは、必死に会社経営をしていく中で、厳しい環境に育てられました。そこで経営者としての技量や人をまとめていく力を身につけていったと感じています。苦労していない人間が、世襲制で後を継いだとしても、それは私のDNAを引き継いでいるだけのことです。経営者にとっては先天的な能力より、人生の辛酸をなめる中で開花していく後天的な能力の方が重要だと私は思っています。会社がもうできあがっている以上、自分の子どもであれば、厳しい経験をさせることはなかなかできない。これでは経営がうまくいくわけがないし、道理に合わないと思ったので、世襲にしなかったのです。
そのとおりですね。
世襲をよしとする方は、考えなおした方がいいですね。