16歳の高校生が公認会計士試験に合格したとニュースになっている。軽々しく「今の若者はゆとり教育でウンヌン」言っている連中に聞かせたい話だ。
ただ、オレは、資格なんてのは、一定の知識をつけるためのペースメーカーみたいなもんで、それだけで食えるもんじゃないと心底理解している。例えばオレはMBAホルダーだが、MBAを取得したことで、90年代ぐらいなら少しは物珍しさもあっただろうが、さすがに昨今は日本人のMBAホルダーなんて吐いて捨てるほどいて、珍しくもなんともない。逆に、ポーターだSWOTだとかを並び立てて痛い奴ばかりじゃないか。また最近は、本当に優秀な日本人留学生が減って、仕事がうまく行かない帰国子女でTOEFLのスコアメイクだけ得意な連中の逃げ場になっていると、某海外のBizschoolのDean(学長)がオレに愚痴っていたよ。
資格だけじゃ食えないってのは、MBAに限ったことじゃない。近視眼的に資格、資格と言っている奴は一度、冷静になるべきだ。上の16歳合格の話の裏側で、会計士はここ数年、膨大な数の就職浪人が出ている。超難関(ロースクール体制で、昔ほどじゃないだろうが)の弁護士資格だって、やはり合格したのに就職できない人間がいるんだ。
とは言え、この最年少合格ってのは、すごいニュースだとオレは思う。オレにしてみれば、仕事やキャリアに悩んだひ弱な連中とは対照的に、こんな若い奴がしっかり勉強して結果を出していることに、若さの可能性を感じてしまうな。
当たり前意だが、昔も今も、やってる奴は時代も環境も関係なく、自分の道を追い求めているんだよ。その対象は、別に勉強だけじゃなくても良いんだ。昔も書いたかもしれないが、オレだって勉強はずっと苦手で遊んでばかりだった。けど、命がけで遊んで、そして惚れた女に振られて見返そうと死ぬ気で猛勉強したよ。
「ゆとり教育のせいだ」、「未来に希望が持てない」とか「成長を知らない世代だ」とか、のたまうのは勝手だが、そんなことを言っている限り、ゆとりある人生も希望のある未来も、自分の成長も手に入らない。
ここは65年前は首都が焼け野原だった敗戦国だ。でも、諸先輩らがそれを理由に諦めていたら、オレらはここにいなかった。そのバトンを受取っていることを忘れてはならない。
もう言い訳無用だ。
T2