親戚が亡くなり、その家族に「葬儀の相談に乗ってくれ」と要請を受けました。
要は、「言いなりになりたくない」「質素にあげたい」ということなのだけど
葬儀社から提案された祭壇やプランは「芸能人ですか?」という立派なもの
勿論、こちらの考えがまだわからないので、
一般的なラインから豪華目の物を提示してくださったのだろう。
親類からは交渉役を一任すると言われてしまったので、
親戚一同の意見を一通り聞きとりをしたうえで、打ち合わせに同席しました。
結果、選んだのは、
「納棺式を告別式とする」というもの。
葬列者が集まった時点では、まだご遺体は納棺されておらず
皆で、末期の水の儀式や、
脚絆や、足袋をはかせてあげて
納棺師さんが死化粧などをしてくれて
その上で、皆でご遺体を納棺。
四十九日間の旅で食べるご飯も、自宅から持ってきて
六地蔵に備えるお団子も手作りで。
最後に、皆でお花を棺に納め、
故人が大好きだった甘いものもいっぱい持たせてあげて
「こんなに花に囲まれた事無かったろうね^^」
「いい顔になってきた」
故人は信心深くもなかったので、お経もなしで。
皆で、故人に「ありがとう」「お疲れ様」「行ってらっしゃい」
「むこうで、愛犬に会えるかな?」
そんな風に語りかけ、変な意味でなく、誰も泣かないお葬式。
かなり、風変りなお式かもしれないけれど
葬儀社さんも協力してくれて
参列者も皆「良いお式だった」「葬式で、こういうのいいなって思ったの初めて」と
私自身も、あんなに温かい式は初めてでした。
同時に、自分の時も、こんな風にして欲しいと思ったので
段取りを記した手紙と、そこにかかるであろう金額は
ちゃんと、息子に託しておこうと改めて思いました。
四十九日の法要も、親戚一同が「お経はいらん」というので…
じゃあ、皆で集まって、読経はせずに納骨だけしようねとなって。
お骨となった故人は、義弟夫婦と共に家に帰っていきました。
交渉を任された時は、どうしようかと思ったけれど
時代も、皆の考え方も変わってきているのだなと思いながら進めました。
ただ変わらない想いは
「今までありがとう。お疲れ様でした。どうぞ、安らかに」
そういうシンプルで温かな想いなのだと思う。