【どうする家康・感想】わしの家 | たべあるにっき〜ご飯とお酒と芸能と〜

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外で食べたごはんに、おうち飯。旅行に舞台に、ぴーちくぱちく。
50代女子(?)のリアル食べ歩き日記。体重なんて気にしない!
たくさん食べてたくさん笑おう!

今までは悪女として描かれる事が多かった瀬名が、三河家臣たちの人気者に。

 

茄子が取れた、卵をたくさん産んだ、果てには丸い大きな石があった…と、

 

なんだかんだと理由をつけて家臣たちが城を訪れ、

 

まさに大家族のような時間を過ごす元康たち。

 

幸せそうなその姿は、平穏すぎて、まるで『ままごと』のようにも見える。

 

その見え方を裏付けるのが、吉良義昭、大草松平、酒井忠義らの存在だ。

 

家康のすぐそばにいる者達が、家康を亡き者ににしようとしてるなど、考えてもいない。

 

家康の、お人好しさと世間知らずさがよく描かれている。

 

信長に言われてやっと気が付き、平定に乗り出せば、戦続きとなって銭がなくなる。

 

そこに対しても「どうしたらいい」と、あくまで受け身の甘ちゃんだ。

 

知恵の回る正信に相談した結果「信長に金を借りればいい」と至極当然のアドバイスをされても、

 

家康は頑としてそれを聞き入れない。

 

受け入れない理由は「信長が怖い」「金なんて借りたら頭があがらなくなる」だ。

 

この時の、正信の「…可愛いのぉ」と言う呆れ笑いは…のちの一向一揆への布石だろうか。

 

家康が「自分が三河の主だ!」と主張すればするほど、全く世間が見えていないことが浮き彫りになる。

 

こういった面から見ても、今年の大河は、徳川家康が一人の人間として成長していく姿が描かれるんだなと感じる。

 

作品中に使われるCGもまた面白い。

 

本證寺のは、まるで六本木か新宿か?!というような不夜城のような外見になっている。

 

所謂「反省会」の人々が、「あんなに広いわけがない」と騒いでいたが…

 

実際に広いんだよ本證寺は。

 

CG、VFX技術に対して、誹謗の勢いで意見を言っている人をみかけるが

 

そこをガン無視して振り切っている制作陣に拍手を送りたい。

 

初めて本證寺を訪れた時の、家康の表情も良かった。

 

日常として市が立ち、賑わう町。民に慕われる空誓上人。

 

自分が作りたいもの・なりたいものが、ここにある。

 

家康にしてみれば歯がゆいだろう。

 

「戦をいくさをしてはならぬのなら一体どうしたら良いのですか?」と半場助を求めるような家康の質問に

 

「知らん!」と一喝する空誓。

 

「…生きてる世界が、違う。苦しみを与える側と、救う側じゃ」

 

このセリフ、深い。

 

受取りようによっては、家康のように苦しみを与える人がいるから

 

自分は救う側でいられるのだ、というふうにもなる。

 

結果、寺の存在意義に納得いかない家康は年貢として無理矢理米を奪う。

 

どんな大義名分があろうとも、当時は、信仰というものが驚く程人々の心を占めていたので、

 

仏様VS家康という形になり、一向一揆が始まってしまう。

 

不穏な終わり方に、次週がまた楽しみになった。