「十牛図」とは、禅の修行によって高まってゆく心境を、十段階で比喩的に示したものです。
失った牛を探し求め、見つけ出し、家に連れ帰り、やがて牛と人が一つになっていく過程を表しており、以下の十段階です。
①尋牛 ②見跡 ③見牛 ④得牛 ⑤牧牛 ⑥騎牛帰家 ⑦忘牛存人 ⑧人牛俱忘 ⑨返本還源 ⑩入てん垂手
失われた牛とは、「本来の自己」を意味しています。
牛を探している人は、エゴにより作り出された「偽りの自己」です。
まずは今の自分は「偽りの自己」であると気づくところから旅は始まります。(①)
牛の足跡を見つけ(②)、そしてついに牛を発見します。(③)
「本来の自己」に出会うことは喜びではありますが、しばらくはエゴとの葛藤が続きます。(④)
次第に葛藤が少なくなっていき(⑤)、牛の背中でやすらぎを得て、さらに牛と人は接近します。(⑥)
いつのまにか牛は消え、人と一体となります。(⑦)
そして全てはなくなり、世界が分離する前の状態である「空」に戻ります。(⑧)
「空」を知り、再び分離された美しく調和のとれた「色」の世界が現れます。(⑨)
最後に、分離した世界において、他の人に尊いものを与えている人の姿が描かれています。(⑩)
この「十牛図」は知識として頭に入れておくものではなく、自分自身に当てはめないと意味がありません。
私は、真理を知りながらもエゴとの葛藤の中にある④の段階にあるのように思います。
人は「空」を体得して後、本当の自然の美を知ることになるのでしょう。(⑨)
そして、この世界で自らの使命に気づき、それを果たしていくことが人生です。(⑩)
人生は「悟る」ことが目的でなく、その後に、
本当の人生は、始まるものだと、今感じています。
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