竹内孝仁先生介護力向上講習会において、受講生からの竹内先生に対する質疑応答の時間が設けられました。質疑内容に関する話ではないのですが、質問者が自分の施設の「利用者様」という言い方をしているのを聞いた竹内先生から次のような話がありました。


昨今「」という呼び方が流行っていて、ご丁寧にも「」という言葉までつけて。特に公の場所ではそのような言い方をしなければならないみたいな風潮がありますが、「さん」のほうがむしろ良いんじゃないですか。医学の学会誌に発表されたアンケート調査結果によると、実際に例えば「鈴木一郎」と呼ぶのが20%、医師看護師は「鈴木一郎さん」が80%になっている。事務会計の場面では「」でもかまわないけれども、苦痛を和らげ治療を目的として来る利用者さん90%はできるだけ距離を縮めて接近したいと思っていますよ。
美しいネコ

一般にポジティブ・コミュニケーションネガティブ・コミュニケーションがあります。相手と一定の距離を置くネガティブ・コミュニケーションは、例えば「夜分遅くに申し訳ありませんが…」においては、夜遅いことを相手は喜んでいないことを前提にしていますね。しかし、援助するものと援助されるものとは互いに接近したいと思うのが普通で、「私は鈴木なんだけど、鈴木さんと呼んでくれ、この方が人間的で親しみがある」ということになるんじゃないでしょうか。


だからここでは「御利用者様」という言い方は止めて「利用者さん」が良いんじゃないですか。そうしましょう。「」って呼ばれると他人行儀、わざとらしい、バカにされたように感じる人がいるかもしれませんよ。ただし、あまりに馴れ馴れしく接近しすぎるのも問題かな?これには気をつけなければいけないですけどね。