前回の記事で扶養義務について書きました。

平成17年の司法書士試験の肢の一つの前段部分を抜き出したものです。

実はこんな感じの設問でした。
「扶養義務は、配偶者、直系血族及び兄弟姉について生じ、これらの者が存在しない場合には三親等内の親族間において生じる。」

後段部分が明らかに誤りなので(877条2項で特別事情があれば家裁の審判)全体として誤りの肢なのはすぐにわかったのですが、問題は前段部分です。

民法の扶養877~881までには直系血族・兄弟姉妹は規定されているけど配偶者はないですよね。

配偶者って扶養義務あるんでしょうか。
自分的にはナゾでした。

で、手元にあった基本書(内田民法)みました。

ちょっと抜き出してみますね。
「以上が扶養の章にある民法の規定であるが、他にも民法は扶養に関連する規定がおかれている。夫婦の同居・協力・扶助義務を定める752条、婚姻費用分担義についての760条が扶養を含むことは言うまでもない。」

「言うまでもない」ってことなので扶養の条文に置くまでもなく752から当然ってことになるようです。
そうなると設問の前段部分もやはり正しいとなるんですね。

ちなみに、今日、本屋さんで各予備校の過去問集で解答例を立ち読みしてきました。
伊藤塾→752で配偶者に扶養義務あり。
LEC→おなじく752
東京法経→前段部分について触れずに、後段部分が誤りだからバツの肢。


でも、スッキリしませんね。
「扶養」って法的義務だから、752の助け合い・協力のハナシとは違うような気がするんですが、どうなんでしょう。

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