放射性ストロンチウム 初検出
4月13日 4時18分
福島第一原子力発電所から30キロ以上離れた場所の土と植物から、骨に蓄積する性質のある放射性ストロンチウムが検出されました。福島第一原発の事故で放射性ストロンチウムが検出されたのは初めてですが、文部科学省は極めて微量で健康に影響はないとしています。
文部科学省は、福島第一原発の事故の影響を調べるため、福島県内で土や雑草に降った放射性物質について分析しています。先月16日と17日に原発から30キロ余り離れた浪江町と飯舘村の3か所で採取した土を分析した結果、放射性のストロンチウム90が1キログラム当たり、3.3ベクレルから32ベクレル検出されたということです。一方、福島県が先月19日に福島第一原発から40キロから80キロほど離れた大玉村・本宮市・小野町・西郷村の合わせて4か所で採取した植物からも微量のストロンチウム90が検出されました。ストロンチウム90は放射線の量が半分に減る「半減期」が29年と長く、骨に蓄積する性質があるため、がんを引き起こすおそれがあるとされていますが、文部科学省は、今回検出された量は極めて微量で仮に土を1キログラムを吸い込んだとしても、健康に影響はない、としています。放射性ストロンチウムは、ウランが核分裂するときに出来る放射性物質で、放射線の量が半分になる期間「半減期」が29年のストロンチウム90と、50日のストロンチウム89などがあります。大気中に放出されると、牧草や野菜に付着し、特に牧草を食べた牛の牛乳を通じて体内に入り込むおそれがあります。カルシウムと性質が似ているため、骨に蓄積して長期間にわたって放射線を出し続け、がんを引き起こすおそれがあるとされています。ほかの放射性物質と見分けがつきにくいベータ線という放射線だけを出すことから検出が難しく、放射性ストロンチウムが土壌に含まれているかどうか分析するには1か月程度かかることもあるということです。1960年代には核実験の影響で世界中で大気中の濃度が上がったほか、1986年のチェルノブイリ原発事故の際にも周辺地域から検出されていますが、大気中に放出された放射性ストロンチウムが健康にどのような影響を及ぼしたかについてははっきりと分かっていません。環境中の放射性物質に詳しい日本分析センターの池内嘉宏理事は「今回検出された放射性ストロンチウムは極めて微量なので、吸い込んで体の中に入ったとしても、受ける放射線の量は非常に小さく、健康への影響はないと考えてよい。放射性物質の対策としては、むしろ数万倍の量が検出されている放射性のセシウムやヨウ素によって健康に影響が出ないよう検討を進めるべきだ」と話しています。原子炉から出る放射性物質に詳しい東京大学大学院の長崎晋也教授は「ストロンチウムは本来、核燃料の中にあるが、先月16日に採取された土壌から検出されたことは、すでにその時点で原子炉か燃料プールの核燃料がそれなりのダメージを受けていたことを裏付ける。ちょうどそのころには3号機などで水素爆発が起きており、粒子の状態で外に出て風で運ばれたとみられる。今後、土壌や植物への拡散、濃度の分布などについても調べる必要がある」と話しています。




「ストロンチウムは本来、核燃料の中にある」

「先月16日に採取された土壌から検出されたことは、すでにその時点で原子炉か燃料プールの核燃料がそれなりのダメージを受けていた」

「粒子の状態で外に出て風で運ばれた」

大丈夫だと政府は言い続けていましたが、事故のごく初期の段階で重篤な状態だったということですね。

汚染水の処理に困るけど水をかけ続けなければならないという、八方塞がり状態。それがあと数ヶ月。
「日本の力を信じてる」、そういう場合ではないわな。

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