桃の旦那の しょう です。

 






 



先日、たろの中指の先が

赤くなっているのを見付けました。


いつの間に、怪我したのだろう?

何かに挟んだのか?それとも切ったのか?


とにかく、僕と桃は狼狽しました。

 

黒と赤の絵の具を混ぜたような

形容し難い色がたろの指先を染めていた。

 








でも、たろは泣いてなかった。

それを見て、僕らは泣きそうになった。

こんなに小さいのに、逞しくなったな、と。

 

同時に、申し訳なさでも泣きそうになった。

きっと僕らの不注意で生じた怪我なのだから。


ぐちゃぐちゃの感情のまま、急いで

たろの指先をウェットティッシュで拭った。

 









その時、

僕らは黒みがかった赤色の中に、

いくつかの小さな小さな粒を見つけた。




 






苺だった。








お昼に食べた

苺だった。








完全に

苺だった。








苺だった。







苺で良かった。