桃の旦那の しょう です。

 



それは昼下がりのこと、仕事のフリに飽きた僕は、

茶の間でマカロンを頬張り、遠巻きから、

授乳する母と子の幸せな姿を眺めていました。



 


愛しさしかない光景だ・・・




そんな事を僕がおもっていると、

おもむろに、その子の母はポツリと呟きました。


 



「あ〜

 乳首吸われてるとさ〜

 なんかさ〜切なくなってくるんだよね〜」



 


僕の全身に稲妻のような衝撃が迸りました。

 




え??????えええ??????

乳首で切なくなれるの??????

 





授乳とは、

親子の幸せの象徴だと思っていた僕。


授乳とは、

母性ダダ漏れイベントだと思っていた僕。


それらとは対極の「切ない」という

出し抜けな感情の登場に、僕は狼狽えました。

 





聴くと、もちろん、彼女の胸中にも脳内にも、

セロトニン的な多幸感はブチ溢れているようで、

僕は一先ずそれに安堵しました。

 



ただ、

それとは並行して、しかも同じ程度で、

彼女の体内のカオスには、どうやら切なさも混在しているらしい。

 



歪な二律背反を抱えているにも関わらず、

今日に至るまで、その事実を口にしなかった彼女に、心強ささえ覚えた。

 


まさに、

愛しさとせつなさと心強さと、状態だ。

(これは、言いたかっただけです)

 





でも僕は、

彼女がちょっと日本語に弱いのを知っている。


恐らく、

芽生えた感情を「切ない」と命名したものの、

それは最適な表現ではなくて、もっと相応しい形容詞があるのでは・・・


そう思い、

じゃあその気持ちを英語で表すと?と僕が訊くと、



 


「あ〜センチメンタルかねぇ〜」




 

都内はピーカンでしたが、

今日だけで僕は雷に二度打たれました。


彼女の事を、

僕はまだ全然知らなかったのかもしれません。

桃を食べてみたら、

甘みより渋みが強かった、そんな感覚に近いです。




 

僕は、核心に迫るべく、

もう一つ、踏み込んだ質問をしました。

 


「それはつまり、

 赤ちゃん以外の、大人赤ちゃん人間の時でも、

 センチメンタルなジャーニーなの??」

 




彼女は答えました。

 



「う〜ん、

 それはねえ・・・・・・・・・


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以上、登場人物のプライバシー保護のため、

実名報道は控えさせていただきました。

 




ちなみに(?)、

たろくんが泣いていると、

母性で乳首が痛い事がある、と桃から耳にして、


何だその最先端センシング機能は・・・

産院で改造人間にされたのか・・・


と思いましたが、

これは、男の想像が及ばない神秘の世界の話で、

母という存在は偉大だと改めて思わされます。







(おまけ)

 あ〜〜〜〜〜命!!!!!!